待てど暮らせど下駄箱に亮平は現れない。
通りすがる生徒の数がまばらになってもまだ、一向に現れる気配はなかった。
「おっかしいなぁ……」
いい加減しびれも切れてきた。
「あ、ちょっといい?」
声をかけたのは亮平と同じクラスの男子。
「あの、亮平知らないかな?」
こうなったら聞いてみた方がよさそうだ。
するとその男子は「あぁ」といって外を向くと、
「あいつなら昼で早退したよ」
と、こともなげに。
「な……なにぃぃぃぃぃぃ!?」
思わず絶叫。
びくんっ、と辺りの生徒がこちらを振り返ったけれどそんなの関係ない。
「り、亮平めぇぇぇ……」
ぎりぎり、と歯を擦らせて拳を握りしめる。
上等ではありませぬか。
そうまでしてワタクシをさけたいというのであればコチラにも考えがあるというものですよ。
「ふ……ふふふふふ……」
「紗智ちゃ~ん。亮平くんに会え──ひゃぅっ!?」
「あら……大丈夫?」
八重ちゃんの声に振り返ると、なぜか床にお尻をついて震えていて、
「どどどどうしたの?」
なんてわたしの顔を指差すものだから、
「何が?」
と聞き返した。
えぇ、ニッコリと。
なのにどうしてだか、
「ひぃぃぃぃぃ!」
怯える彼女。
ふむ。
ま、いいや。
ともかく、こうなったら亮平の家に直接いってやろう。
「ね、八重ちゃん」
「は、はぃぃぃ!!」
「“アイツ”の部屋にいこう」
「は、はぃぃぃ!!」
「そんなに緊張しなくても大丈夫だよぅ」
「は、はぃぃぃ!!」
どこかに寄っててまだ帰ってないようなら部屋で待ってて驚かせてやるとしよう。
うん。
「さ、いこう」
「は、はぃぃぃ!!」


