KEEP OUT!!


 わたしたちは“恋敵”じゃない。

“恋の好敵手(ライバル)”なのだ。

 敵対する立場かもしれないけれど、大切にしたい、好きな相手。

 いがみ合う必要なんてないし、羨ましくはあっても妬ましく思う必要なんてない。

 そんなの“普通はありえない”といわれれば、わたしは真っ向からこういう。

“普通”なんていうのは多数意見なだけでしょう?

 少数意見が間違いだなんて、それこそ思い込みの間違いでしょう?

 ってね。

「わたし、潔く身を引くとか出来ないから」

 もう一度、さっきとは少し違う気持ちで八重ちゃんを抱きしめる。

 すると彼女もぎゅっ、と抱きしめ返してきて、

「私だって、この気持ち譲らないよ?」

 そう告げてくれた。

 綺麗事だといわれてもいい。

 傷付けて、傷付いてもいい。

 だって、どれも大切だから。

 まゆねぇがいったように“後悔が前提の恋”だったとしても。

 手を伸ばしもせずに、足元を流れていくのを見過ごして後悔するよりも。

 すくい上げて手のひらから溢れて出す後悔の方が、ずっといい。

 そう、わたしは思うから。

 そして、八重ちゃんもそう思ってくれている。

 この胸の圧迫感に、わたしはそう確信するのだった。