「そ、かぁ……」
後悔しているのかその告白を恥じているのか、それはわからないけれど肩を震わせる彼女にそれ以上何もいえないわたし。
ただ、ひとつ気になってることが……。
「ところで、さ」
「う、ん?」
「告白なしでキ、キス、したっていってたけど……」
「うん……」
「どうやって?」
実はそこがさっきからものすごく気になっていたのだ。
いくらなんでも、
『キスして!』
『お安い御用さハニー!!』
なんてキャラとは思えないし思いたくない。
確認するようなことじゃないのかもしれないけれど、ね。
でも恋敵云々の前に恋愛未経験の乙女からすれば非常に、とっても、大変に、興味がわかずにはいられない。
「ほんと、あの、勢いだったんだよ? こう、なんというか、そこに唇があったというか」
「うんうん」
顔を真っ赤にしてもじもじする八重ちゃん。
目を伏せたりちらりとわたしを見上げたりしながら、指先をぴろぴろと動かしたり。
かと思えば「あぅうぅ……」と頭を抱えてみたり。
嫉妬心なんてどこへやら。
いや、まだ消えたわけじゃないけれど。
そういった感情とは別個に、なんだかそんな八重ちゃんが無性に可愛く思えて仕方ない。
「あの、ね。例のお菓子を、ね。渡してあげたの……」
彼女の心音を代弁するようにますます動きが速くなる指先。
こっちまでつられてドキドキ、としてきた。


