もともと、わたしと亮平の家が隣同士だったことが八重ちゃんにとっては大きな不安要素だったらしい。
わたしが亮平に対してまだ恋愛感情を抱いてなかったことは不幸中の幸いだったけれど、亮平がわたしを好きにならない可能性だってない。
そう八重ちゃんは思ってたのだそうな。
「いやぁ……我ながらこんなこというのもあれだけど。それはないんじゃないかなぁ?」
「え~。そんなことないよぅ。だって紗智ちゃん私なんかよりずっと素敵だもん!」
そうだろうか?
純和風の黒髪に隠れナイスバディかつ、メガネがチャームポイントで料理も出来て頭もよくてすっごく女らしい彼女の方が何百倍も素敵に決まってる。
そういうと八重ちゃんはぶんぶん、と首を横に振って、
「紗智ちゃんの方が素敵に決まってる! 切れ長の瞳にすらりとした身長と均整のとれたスタイリッシュな体型に気さくな性格。1度口にしたら必ず実行する意思の強さと分け隔てないやさしさ。なにより一緒にいて絶対に相手を退屈させない気配りがあるもの!」
あ、や。
そこまで絶賛されると恥ずかしいを通り過ぎて抱きしめたくなるんですが。
と、いうか。
多分にそれは贔屓目(ひいきめ)だよ、八重ちゃん。
けれど目を大きく見開いて若干鼻息荒く力説する彼女に何もいえず。
とりあえずシリアスな雰囲気を一時中断して、
「わたしにとっては八重ちゃんが1番可愛いよ!!」
「私にとっては紗智ちゃんが誰よりも素敵よ!!」
ひしっ、と抱きしめ合うわたしたち。


