カナメは微笑んだ。 可愛く崩れる笑顔。 けれど、 状況はそんな悠長なものではない。 風が不意に砂を巻き上げた。 見上げると、 薄青の空に、 白いものがいた。 こちらにまっすぐに迫ってくる。 ヒルは思わず悲鳴を上げた。 龍、だ。 誰も動けなかった。 彼らを狩るための部隊なのに、 突然すぎて、 誰も反応ができなかった、 ヒルですら。 ただ、カナメだけが、 冷たい笑みを浮かべて 龍を見つめている。 龍は一気にその巨大な姿を 視界いっぱいにさらしてうねると、 カナメめがけて突っ込んできた。