今、カナメが座っているものも 背丈ほどのところで折れて、 その先は跡形もなく崩れ落ちている。 その切っ先に カナメは乗っかり、 天に向かって手を差し伸べている。 長い銀髪を後ろで一つにしばり、 その灰色の眼は、 月明かりを照らして 青く見える。 「また、あいつは無茶なことを。」 ヒルは呟いて、他の者を押しやり、 テントを出ようとした。 龍は人を食らう。 天空を無数に飛び交う奴等から 身を守るために、人はみな、”巣” に住んでいる。