【短編】自分ウィキ

電気も消えて、真っ暗闇の中。なのにそれははっきりと見える。


人が、立っていると。


街灯のせいか月明かりのせいか。


いずれにせよ、そいつははり越しに立っている。


ここは、二階のはずなのに。


出窓の為に足場はなかった。それなのにそいつは立ってる。


「……小、山田…?」


三田村が呟く。


「あれ、小山田じゃ」


私も、恐々としながら目を凝らす。


確かに、それは小山田に見えなくもない。


でももう小山田は殺されてる……。