12月の2週目の週末、軽井沢に1泊2日。


あたしがネットで見つけたペンションを、カイト先輩に予約してもらった。

それは、白い壁に青い屋根の可愛らしい外観で、部屋には暖炉もある、おとぎ話に出てくるような素敵な雰囲気のペンションだった。


ちょうど、ふたご座流星群が見られる時期で。

カヨの誕生日。


こんなにロマンチックな企画はそうそうないよね、と、思わず顔がニヤけてしまう。


カヨにとって、最高の誕生日になるに違いない。




あたしの素早いお膳立てに、五味先生が

「もー、分かったよ、行けばいいんだろ」

と観念したようにうなずいた時には、あたしは小躍りしそうになってしまった。



旅が決行されるというあたしの報告に


「五味が旅行に同意するとは思わなかったな」


カイト先輩は少し驚いた顔をして。


カヨは――


「夢みたい……」


と、瞳をうるませた。