五味先生は、一瞬ポカンとした顔をする。



「それ、頼む相手間違ってるだろ。旅行ならなおさらカイトに……」



「4人で行きたいんです」



「え?」



「あたしとカイト先輩と、五味先生とカヨの4人で。

12月の中旬、カヨの誕生日なんですよ。

だから、カヨの誕生日に4人で流星群を見にいきましょう!」



五味先生は、「なんでだよ」とため息をついた。



「俺、流星群とか興味ないし。そもそも俺が白鳥佳代の誕生日を祝う筋合いもないだろ」



「じゃあ、そういうことで、約束ですよ!」



「ちょっと待てよ、俺、そんな約束……」




しないからなー、という五味先生の声を無視して、あたしは「さようなら~」と背を向けた。