文化祭が目前に迫ったある日、あたしとカヨは、五味先生を誘ってみることにした。



「来週うちの文化祭があるんですけど、良かったらカイト先輩と遊びに来ませんか?」



それに対し、


「高校の文化祭なんて興味ない」


とても五味先生らしい答えが返ってきたので、あたし達は思わず笑ってしまったのだった。



でも、考えてみたら、五味先生にとってうちの高校は、自主退学をした苦い思い出の場所であるわけで。

当時のことを知っている先生もまだ沢山いるだろうし、来たくないに決まってる。


深く考えずに誘ってしまったことを、あたしは後から反省したのだけど……



当日。


五味先生は、カイト先輩と一緒に、文化祭に顔を出してくれた。




「昔のことは、もう時効だよな」



五味先生はカイト先輩に、そんなことを言っていたという。