なんだろう、い、痛い……


痛……

痛いっ……!!



突然やってきた、急激な腹痛。


それは、今まで体験したことのない痛みであり……



――ダメだってば。こんな大事な日に、お腹なんて痛くなってる場合じゃないってば!



気合で痛みを封じようと思ったけど、そんなことで治まるような痛みではなく。



「セーラ、どうした!? 顔、真っ青だぞ。具合悪いのか?」



あたしの異変に気づいた先輩が、あたしの肩をゆすった。



「なんでもない……大丈夫……」



あたしは平静を装ったけど、とても装いきれてはいなかったみたいで。



「大丈夫ですか? お客様!?」



キャビンアテンダントさんまで、やってきちゃって。



「セーラ! 大丈夫か!」



カイト先輩の声も、だんだん遠くから聞こえてくるような気がして――