「まぁ、ユキはダイスケを裏切る気なんかないし、全部ダイスケの誤解だから。

そもそも俺が余計なことしたのが悪かったし。

ダイスケは学校に行って、ユキと仲直りして来いって言っといた」



「そうですか」



誤解が解ければ、きっとすぐに二人は仲直りするに違いない。

そう思い、ホっと胸をなでおろした次の瞬間。

あたしは、ハタと気がついた。



……ちょっと待ってよ!

つまりあたしは、ダイスケが早とちりによってヤケクソになり、そのヤケクソによってファーストキスを奪われたってことになるわけ!?


ズーンと気分が重くなる。



もっとも、今更どうしようもないことだ。

過ぎた時間は、戻らない。

起こった出来事は、なかったことには出来ないのだ。