始業の鐘が鳴り響く中、シャロン初等学校の門を、一台の馬車がくぐり抜けた。

角張ったフォルムの車を、四頭の馬車が引いている。

この港町で、そんな贅沢なものを持ち合わせているのは、領主であるミライユ・サニアだけだ。