桃花が逃げるように去った数分後…― 涼平は教室に入った。 「涼平!この前言ってたCD持って来たぞ」 悪友の柴崎和也が涼平の肩に腕を回しCDを手渡すと無言で見つめカバンに入れた。 「涼平?どうしたんだよ?!元気ねぇぞ!!」 いつも明るい和也の大きな声にも黙ったまま、ため息をついた。