弱々しい笑顔を向けるレンを見て、張り詰めていた糸が切れたようにあたしは涙を流す。
「もう心配かけさせないでよ。」
「悪ぃ…。」
でも、レンが目覚めてくれて本当に良かった。
「ミユ…。」
まだ力が入らないのか、レンはゆっくりと右手を上げる。
あたしはその手を取り、ぎゅっと握りしめた。
「…心配かけて悪かったな。」
「レン…。」
どれだけ心配をかけられたって、レンが無事ならそれでいい。
レンのぬくもりを感じる事が出来る喜びが、あたしの幸せ。
窓の外では、粉雪がチラチラと舞っていた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…