退屈にしているのは、自分自身だ。 そのことに、美菜は気付かない振りをしていた。 そうでないと、今以上に自分を嫌いになりそうだったから。 美菜は家につき、ガチャリとドアを開け、中へ入った。 「ただいま」 玄関を上がり、声を掛けると母の柚江から「おかえり」という声と、夕飯の支度をしている音が聞こえてきた。 美菜は居間を通り過ぎ、二階にある自分の部屋へ向かった。 部屋へ入り、カバンを机の上に置き、制服から私服へと着替える。