分かれ道まで来た。
「ここからはわかる」
そう言って、叶は美菜に礼を言った。
本当は帰り道、わかってたのかもしれない、と美菜は思う。
美菜が隣を歩いていたとはいえ、途中、道に迷う素振りが全くなかったから。
田舎らしくというか、目印になるものが殆どないけれど、代わりに高い障害物などがないぶん、遠くまでも見渡せるし。
口実だったのかも、と美菜は解釈した。
自分があまりに避けるから、何か怒らせてのことなら謝罪しようと、思ったのではないだろうか。
──考えすぎかな。
美菜は軽く頭を振って、「また明日ね」と笑った。
これからも
同じような毎日が
続くと思っていた。


