引き金引いてサヨウナラ



いつもと同じ田園風景も、顔見知りの通行人も。


叶といると、違う景色を美菜に見せてくれる。


小さな気付きが、少しの好奇心が、大きな驚きに変わる。


それは美菜が幼い頃に感じたものと、共通しているような気がした。


「きいてもいい?」

自然と言葉が美菜の口をついた。


「なに?」


優しく聞き返してくる叶の目を、美菜はしっかりと見据えて訊いた。


「叶は……将来の夢とか、ある?」