「その時に、また来ようね」 目を開け、叶を見つめる美菜。 叶は肯定の返事代わりに、ゆっくりと微笑んだ。 「さぁて、そろそろ帰ろっか」 美菜はそう言って、くるりと向きを変えた。 「美菜」 呼び止めた叶に、美菜は振り返る。 「どうして僕をここに……?」 どうして晴香すら知らない場所を自分に教えてくれたのか、と。 叶はまだ自分がこの町に、美菜に、そこまで打ち解けたとは思えないでいた。