「あとは自分が、引き金を引くだけ」 真っ直ぐな瞳が、美菜を射抜く。 叶の言葉が美菜の心にぶつかった瞬間、強い浜風が2人の間を駆け抜けていった。 『引き金を……引く』 美菜が心の中で呟く。 叶はぶるっと体をふるわせた。 「海は堪能したから、他の場所へ行こうか」 美菜は意識を戻し、叶に微笑んだ。 「とっておきの場所を案内してあげる」