引き金引いてサヨウナラ



案の定、彼女たちは美菜よりも叶に興味津々の様子だ。


それでも、この場でおかしなことを言い出さないだけ有り難い、と美菜は思った。


さんざん不躾な視線を向けたあと、彼女たちはやっと美菜たちを解放してくれた。


美菜には小さな声で「明日楽しみにしてるから」とだけ言って。


店を出た美菜は、どっと疲れを覚えた。


ずいぶんと気を張っていたらしい。


そんな美菜を見て、叶はくすくすと笑った。


「まるで、天敵にあったみたいだ」


当たらずとも遠からずではないかと思い、美菜は一人可笑しくなった。