昨日遊園地に来たときには東口を利用したが、今日は西口から駅を出る。 目の前のロータリーにはタクシー乗り場やバス乗り場があり、その向こうに密集した建物が並んでいた。 美菜は田舎は嫌いだったけれど、この地方都市と電車一本で繋がっているのは悪くないと思っていた。 叶は、昨日の出口とは全く違う街並みに、少し戸惑っていた。 「さぁ、どこから案内しようか? と言ってもあんまり詳しいわけじゃないんだけどね」 美菜のその言葉で、街の案内が始まった。