──翌日。 「行ってきまぁす!」 昨日よりも少し遅い時間になってしまい、美菜は慌てて家を出た。 すっきりと晴れ渡った空に、目をやる余裕もない。 急いで駅へ向かうと、待ち合わせ場所の銅像のところへ既に叶が立っていた。 美菜に気付き、小さく手を振っている。 「ごめん、待った?」 息を切らして走り寄った美菜に、叶は微笑みながら頷いた。 そして昨日美菜がしたように、軽く顎を上げる。 「待った。ジュースおごりね」 ご丁寧に話し方まで似せてツンと喋る様子が可笑しくて、美菜は思わず吹き出した。