電車から降りた4人は、駅の目の前にある遊園地へと向かった。
休日ということもあり、遊園地は人で溢れかえっている。
入園時に貰ったパンフレットを眺め、何から乗るかを皆で話し合う。
「とりあえず絶叫系は制覇したいよね」
ウキウキとした晴香の言葉に、弘がうっと言葉を詰まらせて尻込む。
晴香は呆れた顔で、弘に当てこするかのように言葉を放った。
「弘がいつもこんなんだから、遊園地に来てもつまんないんだよねぇ。
でも今日は美菜と叶がいるもんね」
晴香はそう言ってニンマリと、美菜と叶の腕へ自分の腕を絡めて引き寄せた。
叶は何気なくそっと腕を抜き、
「オレもあんま得意じゃないんだよね」
と首を撫でる。
「うっそぉ!? 前はよく一緒に乗ったじゃん」
そう言った晴香に、叶は困ったように苦笑いしたが、撤回はしなかった。
「美菜さんと乗ってきなよ」
そう言って手を振る叶に、晴香はちょっとつまらなそうな顔を向けたが、絶叫系の魅力には逆らえなかったらしい。
「じゃあちょっと、これだけ美菜と乗ってくる。行こ、美菜」
晴香はそう言って、美菜の腕をとったまま、サッサとこの遊園地最恐の絶叫系に向かう。
美菜も絶叫系は好きだから、弘と叶を気にしつつも、大人しく晴香について行った。


