弘には、落ちていく感覚が、いやにゆっくりに感じていた。 弘は脱出用のレバーを無意識に引いていたが、破片の刺さった位置が悪かったのか、ピクリとも動かない。 弘は固く御守りを握り締めて、そっと目を閉じた。 ゆっくりに感じていたとしても、いつかは落下も終わる。 重力に逆らうことなく、弘の機体は海へ向かって落ちていった。 叶たちに、なすすべはなく。 叶に出来たのはただ、まばたきの時間すら惜しむかのように、仲間の姿を目に焼き付けることだけだった。