叶たちが荷物を片付け終わり一息ついていると、仁と和也が冷たい麦茶を差し入れてくれた。
「麦茶にはまだ早いけどな。食堂にこれしかなかった」
季節は梅雨入りしたばかりだったが、じめじめした空気を一時忘れさせるような香ばしい麦茶の香りが部屋に広がる。
叶は礼を言って受け取り、引っ越しでいがらっぽくなった喉へ、半分ほど一気に流し込む。
弘はベッドに腰を下ろし、ぐびりと麦茶を飲んで言った。
「いつ、行くことになるんだろうな」
気が早いとも弱気とも思える、弘にしては珍しい発言に、叶は弘の顔を凝視した。
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