「遠藤。」
淳が遠藤を制止した。
「花子さんも気持ちは分かるけど落ち着いて。」
淳は2人の間に入った。
「気持ちが分かる?何が分かるのよ。」
花子さんは怒って、その場から消えてしまった。
遠藤の目はとにかく驚きで見開かれている。
僕もそうだから分かるけど、何が何やらって感じだよね。
「あー、2人とも気にしなくていいよ。今は何を言ってもダメだから、花子さんには明日会おう。」
淳には彼女が怒ってる理由が分かってるみたいだ。
「まあ、友達(ダチ)なら口ゲンカくらいするだろ。」
遠藤は呑気(のんき)に笑った。
僕は遠藤のこんなところがいいなって思う。
「花子さんと一諸に明日、紫陽花階段に行こう。」
淳の提案に僕も遠藤も賛成した。