何度きても夜の学校は不気味だ。
まあ夜中に忍び込むのは2回目だけど。
僕達はそれぞれの懐中電灯で辺りを照らした。
この懐中電灯の明かりがまた不気味で、光りの当たらない暗闇から何かが這い出てくるんじゃないかと恐怖を増長させる。
「待って。」
「うわっ」
僕の呼び声に2人が驚いて振り向いた。
「いきなり声かけるなよ。」
びびってるのは僕だけじゃないってわかって、ちょっとホッとした。
じゃなくて
「体育館に行くんじゃないの?」
僕は周りを警戒しながら2人に話しかけた。
「まずは3階の音楽室だ。」
遠藤は階段を上りかけていた。
「あっ」
僕はやっと真っ直ぐに体育館に向かわない理由が分かつた。
「相変わらず鈍いね。」
敦は最初から分かつてたみたいだ。
「ぶぅ~」
僕はただ黙って頬をふくらませた。
でもそっか。花子さんを迎えに行くんだ。
まあ遠藤の事だから謝ったりはしないんだろうけど。