シチロー達が小島みどりの通う大学をあとにして、その足で再び岡崎邸に戻ると、そこでは
松田刑事が興奮した様子でシチロー達の事を待っていた。


なんと!松田は、犯人が解ったと言うのである。


「おい!事件の夜屋敷の外で『バカデカイ女』が逃げていくのが目撃されていたぞ!犯人はきっとそいつだ!」


美佳の殺害現場には、28センチの大きさの靴跡が残っていた。


てっきり犯人は体の大きい男だと決めつけていたものの、『バカデカイ女』がそこに居たとすれば、犯人は男とは限らない。


「しかし『バカデカイ女』なんて、パーティーに来てたのかな…?」


シチローは、松田に渡された招待客リストをパラパラと捲り、該当者らしき名前を探す。


「それが、いたんだな♪…岡崎夫人と浮気してた馬場社長に同行していた娘の『馬場よしこ』が
身長180センチもある♪」


「げっ!女で180センチ!……そりゃあデカイ!」


「きっとそのコ、周りの友達から『ジャイアント馬場』って呼ばれてたんじゃないの♪」


子豚が、笑ってそんな
冗談を言った。


「そう!足もジャイアント!しかも『馬場』だし、現場の手掛かりにピッタリと合う。
それともう一つ……彼女は殺された美佳さんと同じ大学に通っていた!」


松田はもう犯人は確定したかのような口調で、
自慢げに解説を始めた。