「あ、当たり……?」


あたしが今手に持ってるものは、なんなんだろう?



年が明けて、1ヶ月が過ぎた。

2月になって、3年生が自由登校になったある日。


LHRが始まって、一言目に担任は言った。


「今から順番にくじ引け」


何のためのくじなのか、謎なまま引いたら。

紙には大きく、“当たり”という文字が書かれている。


「おっ、井上当たったか?」


横から担任が、その紙を覗き込んで言った。

状況が見えないあたしは、その“当たり”という文字を、眺めるしかなかった。


「何、何? 愛花、なんか当たったの?」


面白そうだと思ったのか、

まだまだ順番の回ってこない利香が、あたしの元へとやってきた。

他のみんなも、あたしのまわりに群がる。