「それじゃあ」


 コートを羽織りフードを被って、事務所を後にしようとした時、


「あっ、あたし送ってくよ」


 とユエルが言った。
 紫煙を吐いて嘆息する。


「お前ねぇ四番街だぞ? わかっ」


「ハメネイ、あたしを誰だと思ってんの?」


 髪を払い自信の有る顔をして言う。
 頭を掻く。


「…でした。まぁそれでも気ぃ付けな」


 ガってんと微笑む。


「…………」


 さっ行こ! と二人は事務所を後にした。