少女はフィートウと名乗った。


 四番街で働いていて、明後日には知り合いの薦めで、別の町に出稼ぎに出て行かなくてはならないのだそうだ。
 この街に戻る見込みは無いのだと。


「…だから、その前にもう一度、見たいんだ」


 俯き加減だが、たしかに、声には強いものがある。


「そりゃぁ大変だな。……っても鳥ねぇ」


 嘆息して頭を抱える。