《……もうッ!! …いつまでも待たせたら……でしょッ!! ……やく戻って来てよッ!! ……》


 思わずサングラスを外し、苦い顔をする。


「あ~、いや、帰ってもらう方向で」


《はい? …何言ってんの? ……もう事務所、上げちゃったよ…》


 そう来るか…。
 嘆息して頭を抱えていると、そうゆう事だから早く戻ってね、と一方的に言って通信は途絶えた。



「…………はぁ」


 フゥーと吐いた紫煙は虚しく風に消えていった。