早くも煙が充満した事務所にハメネイは居た。


「フゥゥ~……生き返ったぁ~」


 しみじみと一言。
 すでに封が切られた煙草の箱が一つ、空になって転がっている。
 灰皿が可哀相な事になっていた。


「……捨てよう」


 ようやく重い腰を上げ机の向って右、小さくくたびれた台所に行く。
 ろくすっぽ使っていない台所はキレイに埃塗れだった。

 ゴミ箱に吸い殻を捨て、今にも穴が開きそうなヤカンに火をかけた。