『うわ、デブ!てめえ、人の教室の前通るんじゃねぇよ!気持ち悪りい』 西條百合華、中学生の朝。 それはいつもこの言葉で始まった。 お前の為の廊下じゃないんだよ、ボケ! なんて言い返せたらどんなに気持ち良かっただろう。 どうやら男の子にとってデブな女子というのは、最も疎ましい存在らしい。 席替えで隣の席になれば派手に机を離され。 給食の時間、私が盛りつけたご飯は全部捨てられる。