相変わらず落ち着いている返事。


これから私はこの男に抱かれようとしているのか、そう考えると想像もつかなかったので笑いが込み上げそうになった。


大学3回生なのにこんな良い車に乗って。


彼は一体どういう育ちなのだろうか、と気になったが彼が答えそうな人でもなかったので言わなかった。


それに、聞いてもどうもしない。




しばらく車を走らせた後、ホテル街に出た。


「そこのラブホでいいだろ?」


「いいんじゃない」


私がそう素っ気無く返すと、青木くんはそこの駐車場に車を停めた。


二人とも慣れたようにホテルの中に入る。


青木くんが受付を済ませ、目で私を促すとそのままエレベーターに乗り込んだ。


会話は驚くほど無かった。


別に気まずいことなんてない。


部屋に入ると私は自分から言った。


「シャワー浴びてくる……」


「その必要はない」