あのグループに会ってから、特に北山さんと野口くんと向井くんは大学内で私を見かける度に話し掛けてきた。


何故かは、なんとなくわかる気がした。


興味、同情、挑発、そして……碧の知り合いだから。


碧は変わりなく必要以上に私につるんでくる。




ひとりの、居心地のよかった毎日が、どんどん変わっていく。


こんなの、私らしくない。


私はひとりの男に電話を掛ける。


『おお、ハヅじゃん。久しぶりー』


「今日私、暇なんだけど」


『マジ? じゃあ今日ハヅん家行くわ』


日の当たる奴らと一緒にいるのは私らしくない。


きっと周りの人が普通に考えれば、私のしていることはただの馬鹿だ。


それでいい。


私にはそれがお似合いよ。




――