そう彼が言った瞬間、皆の視線は私に注がれる。
皆が物珍しそうに私を見つめる中で、たった1人だけ目を反らした、清楚な女子。
ああ、と碧は相槌を打って、やっと私の腕を解放すると空いている椅子に座らせ自分もその隣に座った。
「白瀬 葉月ちゃん。コイツ、相当愛想悪いけど仲良くしてやって」
そう言った碧を私は眉をひそめて見た。
「……そういえば、前に碧と話してたよね」
「そうそう。すっげえ美人だったし、碧の彼女かと思ったんだけど……」
小柄の女子と眼鏡の男子が言葉を交わし、再び私に視線が集まった。
「で? 実際、付き合ってるの?」
純粋にそう訊いてくる彼女に、少し苛つきも覚えながら私は口を開こうとした。
「……付き合っ」
「付き合ってなんかねえよ」
さらりと涼しい表情で、私よりも先に碧がそう答えた。

