心が押し潰されそうになる。


これ以上、彼に関わると後戻りできなくなる。


頭の中ではそんな危険信号が鳴っているのに。


「だから?」


自分でもわかる。


手が震えている。


寒い、サムイ。


「私には関係ない」


「じゃあ、『関係ない』ってこれから言わせない」


「ふざけないで……!」


私は両手で自分の耳を塞いだ。


聞きたくない。


そんなキレイ事なんて言われても、全然嬉しくない!


「そういえば、君がここに依存する理由、当ててなかったね」


追い討ちをかけるように、彼は言う。


耳を塞いでいても、彼の言葉は隙間を通って聞こえてくる。