寝ることが恐い、と言ったらきっと君に笑われるから。


仕方ないなあ、と言って私を抱きしめてくれるから。


そうしてくれることを容易に想像できるから、私は何も言わない。


彼の話しにただ頷いたり、首を振ったりするだけ。




きっと彼も気づいているんだろう。


私が今、必死で涙を堪えていることを。


だけど泣かない。


彼の前で泣いてなんかやらない。


彼に涙を見せてしまったら、きっと私は彼を一生縛りつけてしまうから。


だから、泣かない――。