馬鹿でかいボストンバッグを持ちながら家を見上げる。


これでこの家とも、当分の間お別れかぁ…。


なんか悲しい。


道を歩きながら振り返るとお母さんとお父さんが手を振っていた。



「いってらっしゃい。気をつけてね〜!」


「がんばるんだぞ〜!」



もう…人事のように!


あたしは膨れっ面で手を振ると、もう一度歩き出した。