disillusion

その慌て振りを見て、一旦は静まり返った教室が、ワッと歓声が上がった様な笑い声に包まれた。

「目を開けながら、寝てたんじゃないのか、佐々木は?」

冗談混じりにそんな事を言いながら、普段あまり笑わない正木も苦笑している。

皆の冷やかしの声を浴びながら、優は立ち上がったまま、顔を赤くして俯いていた。

『馬鹿じゃねえの、此奴』

『空気みたいになってたじゃん。あ、いつもか』

『鈍臭いよね、この子』

優に向けられた思念が、頭の中に次々に飛び込んでくる。

優はそんな耳に入ってくる言葉と、頭の中に直接入ってくる言葉に耐える様にギュッと目を瞑った。

「ほら、静かにして」

なかなか皆が静かにならなかったので、それを鎮める様に斉藤が手をパンパンと叩いた。

「佐々木、お前が今回クラスを仕切ってくれ」

皆がまだざわついている中、正木がそれに負けない大きな声を張り上げた。

「え? 仕切るって何をですか?」

今のホームルームの時間中、全く話を聞いていなかった優は、キョトンとした顔で聞き返す。