「ティアラ様はきっとどこかでご無事になされているはずだ。皆、気を抜かずに捜索を続けるぞ!」



ニックは兵たちに、そして自分にも言い聞かせるように宣言した。






〜どうか無事でいてくれティアラ…。




「ニック!!」



「リオン様、」


城内で国王陛下とともに政務にあたっていたはずの第一王子が馬を走らせてきた




「ニック、お前は一度城へ帰れ。父上に政務は任せてきた。そなたは働き過ぎだ。」


「いえ、ティアラ様を見つけだすまでは帰りません。」

「お前のティアラに対する気持ちは分かっている。わたしもニックにならティアラを任せられる、だが今は…」


「だからこそ帰れません。はやくティアラを……ティアラ様を探し出さなければもう二度とあうことができない気がするのです…」




ニックのいつになく真剣な口調にリオンは「そうか。」と頷いた



「それほどにティアラを思ってくれているのだな。先ほど父上はお前にティアラの婿になって欲しいとおっしゃっていた。こんな辛い思いをしているティアラに戻ってきたら幸せになって欲しいそうだ。」




「そ、それは真にございますか?」


あぁとリオンは微笑んだ


「わたしもそれに賛成だ。お前ならティアラにふさわしいだろう。ま、もちろんティアラが了承したらの話だがな…はやく見つかるといいのだか゛。」



「ティアラ様は絶対にご無事なはずです。このニックが絶対に探し出します!」







そう言うとニックは空を見上げた



この広い空の下、どこかに愛しい君がいるはずだ


絶対に救い出すから、待っていてくれ




ニックは馬にのり駆け出した。強い決意を胸に秘めて