その出来事は今から約十年前のこと…。



ティアラは国王の命令を守り、ほとんどを城のなかで過ごした。



「今日はティアラの誕生日か。これまでティアラはわたしの言いつけを守ってきた…そのおかげでティアラの力は他の誰にも知られていないだろう。」




寝室で国王アーリオは、王妃マアラとはなしていた。

「そうですわね…。あの子はこれまで、たとえ誕生日でも城の外に出ようとはしなかった。」


そう言うとマアラは何か考え込んでしまった


アーリオはマアラの顔を不思議そうに覗きこむ




「マアラ?どうしたのだ。なにを考え込んでおる」



「そうだわ、いいことを!ねぇアーリオ様、こんなのはいかがです?」


「???」


マアラは笑顔でアーリオになにか小声でつぶやいた