祥太郎はスピードをうんと落とした。

今、スコールのような雨が一部で降っていて。

祥太郎は路面と相談するような、そんな感じでゆっくりと走っていると。

後ろから北さんとペアを組んでいる梅田 晴紀さんがいつの間にか追いついてきた。

チーム内に絶叫がこだまする。

「…頼むで」

光さんはモニターを見つめたまま、ボソリ、と呟く。



本当に頼んだよ、祥太郎!!



でも、梅田さんの若さ溢れる走行は止められない、

あっさりと抜かれてしまった。



けれど。

タイヤはスリック。

その走り方では…



梅田さんは転倒した。

祥太郎はそれを難無くパスする。



やがて雨は止み、太陽は雲の間から顔を覗かせた。