「おじいちゃんおじいちゃん!それでどっちが勝ったの?」 「さて。どっちかな。答えはばあさんのタルトを食べた後にしようかの。」 「え~。おじいちゃんずるいや~。」 「ふぉっふぉっふぉっ」と笑った老人は窓辺から腰を上げた。 「今年の夏は暑いのぅ。」 拭った額のイナヅマには、何本か皺が刻まれていた。