「――幸せ」 眠りについたと思っていた彼女の口から出た言葉。 「たとえ偽りの彼氏でも……愛斗くんが私の彼氏で幸せだよ」 ガタンガタンと揺れる電車の音。 窓の向こうには日が沈みかけた海。 まるでドラマの中の演者に自分がなっているかのように今が非現実的に思えて…… 「……俺も幸せだよ」 繋いでいた手を強く握り返した。