なおさんに言われて椅子に腰掛ける俺。



「……泣かせてしまった」


「そう。それは愛斗くんが悪いの?」


「……うん。確実に、だって……」



俺バカだ……彼女は化学室で俺に言ったんだ。



『ありがとう』って。



本当は素っ気ない態度をとるのも胸が痛かったはず。だから週番の仕事も最初から自分一人でやるって予防線をはって



彼女なりに男子みんなを傷つけないようにしていたのに



俺は、俺だけは彼女に勝手に近づいた。


どんなに拒絶されても……好きだったから。



俺も彼女に傷つけられてるなんて、そんなの俺のエゴだ。俺のことを拒絶する彼女に勝手に俺が近づいた結果。



加害者だなんて……絶対に言っちゃいけなかったんだ。



最低だ……俺……