「愛斗! 心はどうしたんだよ?」


「帰った」


「は?」


「泣いて……走って帰った」



泣いた彼女に声をかけることもできなくて……そのまま逃げるように店から走って出て行ってしまった。



追い掛けることもできないくらい、泣かせてしまったことに動揺してしまっていた俺は、呆然と立ち尽くしたまま……



時間を置いてやって来た陽に問い詰められて正直に話していた。