携帯を取り出すと輝からの着信。通話ボタンを押して耳にあてた。 「もしもし?」 『愛斗! 今から出てこれないか?』 輝の焦った声。何か嫌なことがあったのはすぐに分かった。 「どうした?」 『花がいなくなった! 探すの手伝ってくれ!』 ――え……? 「いなくなったってどういうことだよ?」 『夏休み中も家に籠もりっぱなしだった花を、気晴らしに花火大会に誘ったんだ。そしたら行くって言ってくれたから俺も驚いたんだけど……』